ものが壊れるとき

物体が壊れることに意味はある?

一つ大切な物や高価な物が身の回りで壊れると、同じような品物が次から次へと壊れていく。そんな体験をしたことがある人はとても多いでしょう。とくに有名なのが冷蔵庫や洗濯機といった「白物家電」が、まるで連鎖反応を起こしているかのように壊れ続ける現象かもしれません。そんなときに「呪われている?!?」などと占いに駆け込んでくる方もいるほどです。単純な偶然かとは思いますが、何か隠された意味はあるのでしょうか?

家電製品が連続して壊れるのは本当によくある話のようですね。「きっと連中は配電盤を伝って夜中に反乱の相談をしているの違いない」などと言い出す人も、一人や二人じゃありませんから。実は以前、親しい電気屋さんに、かなり真剣にこの白物家電反乱説を質問したことがあります。彼も、よく聞かれることですがまだ確実な回答はない、と前置きした上で、白物家電は引越しや結婚などの際にローンを組んで一括で揃えることが多いため、結果的に寿命も同じ時期になりやすい傾向がある、と答えてくれました。また反乱を目論んではいないと思うけれど、家電によっては壊れる間際に電力サージ的な現象は起きる可能性があるので、それで近くにある家電同士(洗濯機と乾燥機とか!)が同時に壊れてしまうのかもしれない、とも。まあ、納得できるお話ですね。

それとは別に、意味のある物質が立て続けに壊れる、というややオカルティックな話も少なくありません。遠く離れた場所に住んでいる息子さんの写真立がいきなり落ちて割れてしまったら、そのすぐ後に彼が事故で亡くなった、という訃報が入ってきたという母親の話などは、古今東西、よく聞く不思議ストーリーですね。また、ある日から突然、夫婦箸が折れたり、ウェディング・キャンドルがいきなり溶けて流れてしまったり、といったことが続いたので、夫の身辺を洗ってみたら不倫の真っ最中で相手の女性が妊娠していた、という妻の話などもあります。とくに夫婦の絆に関する物品が壊れるときには、なんらかのトラブルがそのご夫婦の上に起こるというご相談は、有意義に多いように感じます。

でもこれは、本当に何の原因もないときにだけ、疑うべき現象です。冗談ではなく、ご夫婦が揉めているときはそれなりに喧嘩も増えているもの。だから「夫婦茶碗が割れてしまいました。やっぱり私たちは別れるべきなのでしょうか」と質問してきた方に、何の心当たりもなく割れたのですか?と伺うと「いえ、喧嘩をして夫に投げつけたら割れました」などというコントのようなやり取りをしたこともあります。もちろん、これは壊れて当然なので例外ですね。

私の身の回りでは

実は今回、こんなテーマを選んだのは、私も、昨年末からとにかくたくさんの物が身の回りで壊れ続けているからに他なりません。エアコン、パソコン、テレビ、ビデオレコーダー、そしてお気に入りだったコート、セーターやブラウス、靴にもいきなり穴が開いてしまって、大ショック!なのです。冷静に考えれば、仕事で使うパソコン関連用品はそれなりに入れ替えてはいますが、それ以外のものは使えるうちは使おうか、のレベルで延々そのまま使い続けていますし、洋服などに至ってはもう何十年前に買ったかわからないけど、まだ着られるから良いや、という生活態度で過ごしていますから、そりゃー、壊れるときはいっぺんに来るのか、あるいは単にいっぺんに私が気がついただけなのかも分かりません。要約してしまえば、そういう時期なのだろう、で終わってしまうかも。

とはいえ、それだけ終わらせてしまってはオカルティストとしての名が廃る(?)ので、ちょっと調べてみました。基本的に物が壊れるという現象や夢などは、心の奥底で何か大切なものを失うことへの不安が高まっているサインとも考えられるとか。今の運気が不安定で、大事な物や人やチャンスまで失いかねない状況にあることを示唆しているという説もあります。私の場合は夢ではなく、実際のものが壊れまくっていますから、自身の潜在意識の発露というよりは、これを宇宙からのサインだと考えた方が納得しやすいようにも思えます。そうすると、一般的な夢占いとは逆に、このままの状態に固執していたら大切なものを無くしてしまう、どんどん新しい方向へ変わっていくべきだ、といわれているような気がします。

確かに仕事で不調なパソコンを使い続けるのは、とても危険なこと。大切なデータを無くしたり、大きな仕事の機会を失ったりもするでしょう。古い服だって、自分は気にならないとしても、そんな格好ばかりしていてはいつか赤っ恥をかいてしまうこともあるでしょう。さらに自分の感覚を深掘りしてみれば、セルフ・ネグレクトにも通じるような態度は健康的ではありませんし、放置しておけば何か深刻な自分の精神状態の変化を見落としてしまう可能性も否定できません。最近、忙しすぎて毎日の些細なことをおなざりにしすぎていた自覚はあるのです。ということで全体的にみてみると、周りの物品が壊れるという現象は、そんな私に否応無しに喝を入れてくれたのは間違いありません(お財布も痛いけど)。

良い物を選びましょう

でも、地球の環境や限られた資源のことを思うと、壊れたものを単に入れ替えるよりは、修理したりして使い続けたいですし、できれば最初から「安かろう、悪かろう」な製品を間に合わせのように購入し続けるのではなく、しっかりと計画を立てて吟味した上で壊れにくくて良い製品を入手して、身の回りにおきたいものです。洋服だって、付け替え用のボタンはあるのか、普段の洗濯は家でできるのか、本当にダメになったらウェスなどに転用して使い切れるのか等々を考えてから購入すれば、その後の扱いもきっと簡単ですし、無駄になる部分も少ないでしょう。そんなことをいちいちチェックしてから買うのは、面倒で仕方がないかもしれません。でも、オカルティックなことに気を遣いたいのであれば、こうした身近に起きてくる事柄や変化もまた、無視できないこと。身の回りの物品にはどんな性質があるのか、その寿命はいつなのか。ちょっと時間を作って調べてみると、意外な発見があるかもしれませんよ。

著者について

ヘイズ中村は子供の頃から神秘の世界に魅せられ、長じて占い師、魔術研究家になりました。とくにトート・タロットに惹かれて『決定版・トート・タロット入門』も執筆しました。隙間時間には下手の横好きなレース編みをしたり、異次元に想いを馳せられるSF映画など楽しんだりしています。

ヘイズ中村は下記のサイトでも活躍しています。ご意見や質問などお待ちしております!